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3. 結論・展望
今回の超音波検査、糞便検査、免疫血清学的検査を併用した研究で以下の結論を得た。すなわち、超音波検査が日本住血吸虫症患者の肝繊維化や門脈圧先進症の判定に有用であり、しかも臨床症状の乏しい感染初期の例でも肝繊維化がみられること、更に有病地住民の罹患率調査への応用も期待される成績を得た。ミンドロ島はフィリピン有数の日本住血吸虫症の有病地であるが、現在実施しているELISAによる血清疫学調査により、隣接した地域によって侵淫度はかなり異なっていることが解ってきた。血清疫学と超音波検査を組み合わせることによって、侵淫度の異なる地域で超音波検査の罹患率調査への応用について検討できたことが今回の研究の特徴であり、罹患率調査への応用が期待される。

 

 

 

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